2016年11月26日
人が亡くなって執り行う儀式である葬儀には様々なマナーがありますが、中でもお焼香の作法は宗派の数だけあるといわれています。作法を守ってきちんと行うことは遺族に対する礼儀でもあります。しかし形にこだわりすぎる必要はありません。故人に対してのお悔やみの気持ちで行うということがいちばん大切です。一般的な順序は、まず香炉の前で一礼して祭壇に進みます。そして親指、人差し指、中指で抹香をつまみ押しいただき、抹香を香炉にくべます。お焼香の作法は宗派によって異なり、抹香をつまむ回数の違いは1回から3回と様々です。
また、つまんだ抹香を香炉へ入れる作法も宗派ごとに違いがあります。香炉にくべた後は合掌し、一歩下がって僧侶と遺族に一礼します。マナーとしてこうあるべきという形はありますが、葬儀を行う宗派と異なるお焼香をしたからといって失礼にあたるということは決してありません。抹香をつまむ回数も心を込めて1回ということでも何ら問題はありません。また、席についたまま隣から順番に香炉が回ってくることを回し焼香といいます。この場合は香炉を膝にのせて、抹香をつまんで押しいただき、香炉に手を添えたまま片手で合掌します。
次の人に回すときは両手で回すことが回し焼香のマナーとなっています。加えてお線香で行う場合もあり、そのあげ方も宗派によって違います。お線香を立てずに横にすることが作法とされる宗派もあります。把握しておくことは大切ですが、もっと大切なのは故人を偲ぶ気持ちだということだけは覚えておく必要があるでしょう。